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母乳育児のヒント

母乳育児に役立つヒント

楽しく、おいしく、簡単に!ママの食事と母乳育児

赤ちゃんへしっかりと栄養を届けるためにも、授乳中ママは健康的な食生活を心がけたいものです。しかし、毎日の家事に加え、赤ちゃんのお世話や授乳で毎日忙しく過ごしているママにとって、あれこれ栄養素を考えたり、反対に多くの食事制限をすることをプレッシャーに感じる方も多いでしょう。今回は、楽しく、おいしく、さらに簡単に生活に取り入れられる授乳中の食生活のヒントについて、(株)とらうべ 助産師の宮里 風葵さんにお伺いします。

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母乳のためにはどんな食事が良い?

授乳中には、「あれを食べると良い」「これは控えなさい」などと、なにかと制限されているように感じる方も多いのではないでしょうか。母乳のため、赤ちゃんのため、と考えると、「良いものを食べ、悪いものは避けなければいけないのは仕方ない」と思っていませんか。難しく考える必要はありません。母乳育児を通して、楽しく美味しい食生活を見直すチャンスです。

控えたほうが良い食べ物は?

「やっぱり脂っこいものは控えないとダメ?」と、よく聞かれます。脂っこいものを食べるとおっぱいが張る、詰まる、乳腺炎の原因になると言われることがありますが、本当でしょうか。結論からいうと、そのような事は科学的には証明されていませんので、あまり神経質になる必要はありません。母乳中の脂肪は脂肪球とよばれる球体で存在しています。初乳の脂肪球はより小さく、成乳ほど大きいということがわかっていますが、どちらも乳管を通るほどの大きさでしかないことが確認されています。また、脂肪球同士は、くっついて大きくなることはないので、それぞれの脂肪球が大きくなって乳管につまることはないというわけです。

和食中心の食事が良いとされる理由

和食が良いといわれることがありますが、和食中心の食事は、特に妊娠中や、授乳中だからということではなく、健康的な食事だといわれています。和食は、主食、主菜、副菜と品数が増えることで、いろいろな食材を摂ることができます。いろいろな食材を摂る事によって、摂れる栄養素が増えますし、組み合わせによって栄養の吸収が良くなったり、効率良く身体で使われたりします。ですから、お薬のように、この症状には、これ!妊娠中にはこれ!産後にはこれ!というように食事を難しく考えなくとも、沢山の食材をバランスよく摂っていくことが大事なのです。さらに、肉より魚が多くなると、摂ることができるたんぱく質や脂肪の質も変わります。実際、日本人の母乳は、欧米人に比べると、n-3系不飽和脂肪酸が多く含まれると言われています。それは、日本人が欧米人よりもイワシやアジなどその脂肪酸が多く含まれる食事を摂っているからだとされています。n-3系不飽和脂肪酸は、DHAなどを含みアレルギー反応を抑えて、免疫機能を高めたり、視神経の発達にも関わっており、植物脂や、魚の脂に多く含まれています。母乳中のエネルギー量の約半分は、母乳に含まれる「脂肪」です。特に、脂肪のなかでも脂肪酸の組成(種類)はママが食べた食事の影響をうけて変化するので大切な要素です。

忙しいママに

忙しいママは献立を充実させるのはなかなか難しいでしょう。手抜きも工夫の一つです。また、育児中は食事の時間(準備も含め)を楽しむくらいの余裕が欲しいものです。家族にも協力してもらいましょう。

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・彩(いろどり)を意識しましょう。

品数をそろえるのはなかなか大変。1品を盛ったときの彩を良くすることを意識することで、摂る食材も増えます。

・冷凍野菜や缶詰、乾物で時短調理。

野菜→冷凍野菜は、スーパーでも売っていますが、買ってきたときにまとめて下ごしらえして冷凍保存しておくと良いでしょう。料理は苦手というパパでも、洗って切るくらいならできるので協力してもらうのも良いですね。パパも一緒に食事を見直すきっかけになりますよ。また、大豆や豆類の水煮缶などもすぐに使えて便利です。

魚→さば、いわし、かつおなどの水煮の缶詰や、ツナ缶などは、DHAなども豊富です。炒めものやサラダにさっと混ぜて使ったりすると、味付けやダシにもなるのでとても便利です。もちろん、さんまの蒲焼缶、さば味噌煮缶などそのままおかずになる缶詰も◎、汁は野菜を加えて炒めるなど調理にも使えば、汁に出ている魚の脂も摂れますね。

乾物→わかめ、スライスしいたけ、ひじき、切り干し大根などは、食物繊維もミネラルも豊富です。これらは水で戻す時間が短いので意外と便利です。ごはんに混ぜる、味噌汁に入れる、和え物、さっと蒸し煮にするなど、おかずを簡単に1品増やせます。

・マイナス(制限)するより、プラスワンの工夫をしましょう。

白いご飯→ちりめんじゃこなど小魚を混ぜた混ぜご飯に(カルシウムを+)、さらに、小松菜など青野菜をきざんで混ぜても◎(カルシウム、鉄を+)

お味噌汁→冷凍野菜をたっぷり入れて。(食物繊維やミネラルを+)

お浸し→豆腐と和えて、白和えに。(たんぱく質やミネラルを+)

・手軽に魚を取りましょう。

魚は火が通りやすいので意外と調理時間が短くて済みます。グリルがなくても野菜と一緒にクッキングペーパーに包んでレンジ調理をすれば簡単ですし、フライパンにクッキングペーパーを敷けばグリル代わりにもなり、焼き魚の後片付けも楽ですね。切り身の魚は、買ってきたときに調味料につけて冷凍保存しておけば、フライパンで焼くだけで簡単に照り焼きに。先に紹介した缶詰のお魚も上手に使いましょう。

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・食材の宅配サービスを使いましょう。

赤ちゃんを連れて、食材の買い物に行くのは中々大変。特に身体の回復がままならない産後すぐの時期には、ネットスーパーや、食事の配達を頼むのも良いでしょう。最近は、食事のバランスを考えたお弁当やおかずを届けてくれるサービスも増えていますよ。

母乳のためにはたくさん食べたほうがいい?

最近はあまり聞きませんが、昔は「お腹の子の分まで」、「おっぱいをたくさん出すため」に、「たくさん食べなさい」と言っていました。母乳育児中は、よくお腹がすきますし、こんなに食べても大丈夫?と思うかもしれません。でも、母乳育児中のママたちの食事は、基準量よりも少ないことが多いようです。元々の体格や動く量もそれぞれ違いますので、必要量も変わってきます。ですから、適切な量やエネルギー量(kcal)にこだわって食べようとするのは困難です。また、大事な事は、食べる量が変動しても、母乳の量に影響はありません。授乳中の身体は、母乳をつくることが優先になっているので、たとえ食事量が少なくても、赤ちゃんに必要な母乳をとても効率よくつくることができるのです。じゃあ、どれくらい食べるのが適切?と疑問になるでしょう。どれくらいの食事量が自分にとって適切かどうかは、自分の体重が目安になります。まめに、体重を測ってみましょう。現在、厚労省で言われているのは、産後6ヶ月までに、妊娠前の体重に戻ることとしていますが、ゆっくりでも大丈夫です。授乳期間中に体重が妊娠前に戻ることを目安として、食事を摂りましょう。ただし理想の体重は、痩せすぎで健康的でないことが多いので、BMI(体格指数)などを参考に健康的な適正体重を守ってしっかり食べましょう。

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(株)とらうべ 助産師・宮里風葵さん
総合病院に助産師として勤務後、現在は(株)とらうべにて、母乳育児を含めた育児相談や、タッチケアの講師として活躍中。