medela

HOME 母乳育児のヒント 授乳時の抱き方のヒント~ポイントは『心地よさ』

母乳育児のヒント

母乳育児に役立つヒント

授乳時の抱き方のヒント~ポイントは『心地よさ』

出産後待ったなしに始まる毎日の授乳。つい一生懸命になり、無理のある体勢や身体の一部に負担のかかる姿勢をとってしまい、肩こりや腱鞘炎に悩まされる方も少なくありません。今回は(株)とらうべ 助産師の宮里風葵さんに、ママも赤ちゃんもハッピーになる授乳時の抱き方のヒントや授乳が楽になる工夫をお聞きしました。

「心地よく」授乳できていますか?

抱き方のセルフチェックとヒント

授乳時の抱き方(ポジショニング)にはいくつか方法がありますが、すべてに共通している大切なチェックポイントがあります。それはママ自身が『心地よく授乳できているか』ということ。授乳の時間はママと赤ちゃんの特別なふれ合いタイム。ママが心地よいと感じながら授乳できれば、自然と笑顔を見せることができ、赤ちゃんもそれに応えるようにご機嫌で上手におっぱいに吸い付いてくれます。お互いが心地よい授乳を心がけると、だんだんと、二人の息もぴったり合ってきて、まるでおはなしをしているような気分を味わうことができるでしょう。ママと赤ちゃんの状態に合わせて心地よい抱き方を知っておくことは大切です。


各抱き方(ポジショニング)の方法はこちら

※クリックするとページ下部の詳細説明に移動します。

心地よい抱き方ができるようになると...

心地よい抱き方での授乳は、赤ちゃんにとってもママにとってもメリットがたくさんあります。


  • お口に含みやすく、赤ちゃんが効率的に母乳を飲みとることができる。
  • きちんと飲みとられるので、母乳の出が良くなる。
  • いろいろなポジションで飲ませることで、張りすぎや乳腺炎など、おっぱいのトラブルの予防や軽減になる。
  • 上手にお口に含めるので、乳頭の痛みや傷などのトラブルの予防、軽減にもつながる。

授乳の姿勢をセルフチェック

初めての育児ならママも赤ちゃんも上手に授乳できるようになるまで、練習が必要です。緊張や焦り、ママ自身のクセなどの影響で、なかなか心地よいと感じることが難しい場合もあるでしょう。指先でつつかれるより、手のひら全体で添うように触れられたり、なでられる方が気持ち良いですし、手のひらで支えられるより、腕にすっぽり包み込まれる方が温かく、安心できるでしょう。そのような違いをイメージしながら、授乳の姿勢をセルフチェックしてみてください。


  • ママ自身がリラックスできていますか。
  • 肩の力は抜けていますか。(肩をなるべく耳から遠ざけるように下げる。)
  • 前かがみになっていませんか。(胸を張って、おっぱいを赤ちゃんに近づけるのではなく、赤ちゃんをおっぱいに引き寄せる。)
  • 椅子やベッド、ソファの端に座って、つま先に力を入れたり、かかとが浮いていないですか。(赤ちゃんをおっぱいに近づけるために無意識にそのような姿勢にしている方も多いので、足台や、辞書などの分厚い本の上に足を乗せるなど、高さの調整を。)
  • 赤ちゃんが泣き始めてしまい、慌てて授乳をしていませんか。(赤ちゃんが泣いていると焦ってしまいますが、緊張して余計な力が体に入ってしまいがち。泣き始める前に授乳を開始する、泣き始めても、「焦らず、ゆっくり」はじめることを心がけて。)
  • 赤ちゃんがうつむき加減になっていないですか。(赤ちゃんの頭を手のひらで支える場合には、頭の上のほうではなく、首から後頭部の下側を支えるようにし、赤ちゃんが軽くおっぱいを見上げるような姿勢になるように。)
  • 赤ちゃんの首や体は横にねじれていないか。お互いがフィットしているか(例:横抱きで、ママから見て、赤ちゃんの胸やお腹が見えているとねじれている証拠。赤ちゃんのおなかとママのおなかが向かい合うようにし、赤ちゃんの身体を横から見たとき、耳、肩、腰が直線上に見えるイメージ。)

こんな工夫も

  • 椅子やソファでもたれると、肩の力が抜けてリラックスできます。腰の後ろにクッションを置くとリクライニングソファーに早変わり。腰や尾骨への負担も減り、楽になります。難しいときには、くわえさせてからもたれると良いでしょう。
  • 脇抱きは、ソファの端に座って、肘置きを腕の支えにしたり、入院中ならベッドのオーバーテーブルの高さを調整して腕の支えにすることもあります。帝王切開後、お傷が痛いときにもおすすめです。
  • おっぱいの張りやしこりが外側なら脇抱き、下側なら縦抱きなどと、張りのある方向に赤ちゃんの下あごが来るようにすると、その部分が飲みとられると感じるママは多いです。また、乳首に傷がある場合、切れている方向に口角がくるようにすると、痛みが軽減することもあります。おっぱいにトラブルを感じがちなときや、予防のためにも、いろいろな方向から飲ませてみると良いでしょう。
  • あぐらで授乳する時、前かがみになってしまうときには、お尻の下(足の下には入れず、お尻のみ)にクッションやタオルを入れると、まっすぐ座りやすくなります。また、ひざ下にクッションなどを入れると、高さ調整になります。
  • 外出先で、授乳クッションがないときには、カバン、上着、抱っこひも、タオル、など持っているものを使って、高さを調整するとよいでしょう。

ママも赤ちゃんも慣れるまで少し時間がかかることもあります。「心地よく楽に」を意識的に心がけて授乳を続けることで、次第に心地よい授乳姿勢を無意識に取れるようになります。焦らず、ゆっくり、続けてみてください。


pict2.jpg
(株)とらうべ 助産師・宮里風葵さん
総合病院に助産師として勤務後、現在は(株)とらうべにて、母乳育児を含めた育児相談や、タッチケアの講師として活躍中。

授乳時の抱き方(ポジショニング)

横抱き(クレードル)


  1. 1.赤ちゃんが胸の高さにくるように抱きます。
  2. 2.おっぱいをあげる方の腕で赤ちゃんを包み込むようにしっかりと支え、お母さまの方へ抱き寄せます。支えている腕の下にクッションなどを入れると安定します。
  3. 3.赤ちゃんの鼻が乳頭と同じ高さにくるように抱きます。
  4. 4.赤ちゃんとお母さまがより近くなるように、赤ちゃんのお尻を、お母さまの体の方へ引き寄せます。
  5. 5.赤ちゃんが大きな口を開けるまで待ちます。もう片方の手で乳首の上方を軽く押さえ、上を向くように押さえて赤ちゃんがくわえやすいようにしてもよいでしょう。赤ちゃんが大きな口を開けたら、すばやくおっぱいをくわえさせます。
  6. 6.赤ちゃんの顎が一番最初に乳房に触れるよう、赤ちゃんの首、肩、お尻をまっすぐにしたまま引き寄せます。赤ちゃんのあごは乳房にくっつき、鼻の頭は乳房から離れ上を向きます。
  7. 7.赤ちゃんの頭は乳房に押しつけないようにします。頭を乳房に押しつけると、鼻がつぶれ赤ちゃんの顔は見えません。正しく飲めていると赤ちゃんの唇は外側にめくれたようになります。

交差横抱き(クロスクレードル)


  1. 1.おっぱいをあげる方とは反対の手で、赤ちゃんの頭の後ろから首の付け根のあたりを支えるように、赤ちゃんを抱きます。
  2. 2.左側のおっぱいをあげる時は、赤ちゃんを右腕で支えます。赤ちゃんのお尻をお母さまの肘ではさむように脇をしめ、右手のひらで頭を支えます。
  3. 3.左手で左側のおっぱいを支えます。
  4. 4.赤ちゃんの下唇を乳頭で軽くなぞります。 これによって赤ちゃんは口を大きく開けます。
  5. 5.赤ちゃんが乳頭をくわえる時に、乳頭が赤ちゃんの口の上側に入るよう、左手の親指を使って乳頭を上向きにします。肩とお尻を包み込むようにして赤ちゃんを抱き支えます。
  6. 6.赤ちゃんがおっぱいをくわえている時は、赤ちゃんのあごは乳房にくっつき、鼻の頭が乳房から離れ上を向きます。お母さまと赤ちゃんは互いに目を見ることができます。

脇抱き / フットボール抱き


  1. 1.赤ちゃんのお尻を身体に抱き寄せ、巻きつけるようにします。赤ちゃんの足が椅子の背などにあたると身体がつまったり、足で蹴ったりして安定しません。
  2. 2.赤ちゃんのお腹がお母さまのお腹と向き合うようにします。
  3. 3.おっぱいを支え、赤ちゃんの下唇を乳頭でやさしくなぞり、大きな口を開けるまで待ちます。
  4. 4.赤ちゃんの首の後ろから肩の部分を軽く支えます。赤ちゃんのあごが乳房にくっつくように姿勢を調節します。赤ちゃんはお母さまを見上げるような姿勢となるため、鼻はつぶれずお母さまの目を見る事ができます。

添え乳


  1. 1.横向きに寝ます。リラックスできるよう、必要に応じて背中に枕・クッションなどをあてがうとよいでしょう。
  2. 2.赤ちゃんの肩がお母さまの肋骨近くにくるよう寝かせ、お母さまにぴったりと寄せて顔をお母さまの方へ向かせます。
  3. 3.この時、赤ちゃんの口がお母さまの胸の高さより低い位置に来るようにします。お母さまの乳頭と赤ちゃんの鼻もしくは眉間が同じ高さになるようにします。
  4. 4.赤ちゃんは乳頭を探しあててくわえてくれます。この時赤ちゃんのあごが乳房にくっつき、鼻の頭が乳房から離れ上を向き、お互いの目を見る事ができます。
  5. 5.赤ちゃんがおっぱいを含みやすいように、おっぱいの形を整えてあげた方がいい場合もあります(特に、おっぱいが大きい方、おっぱいが張っている時や、あるいは乳頭があまり突出していない場合など)。