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授乳トラブルSOS!乳首の痛みへの対処方法

産後間もないころは、赤ちゃんのおっぱいの飲み方、赤ちゃんの抱き方などが原因で乳首が切れたり、ヒリヒリ、チクチクとした痛みを感じる方は少なくありません。いつまで乳首の痛みが続くのか不安な方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし、乳首の痛みは、必ず良くなりますし、痛みを軽くする方法もたくさんあります。今回は、乳首のトラブルの予防策や、乳首の痛みに対処する方法を助産師の宮里風葵さんにご紹介いただきます。

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授乳は痛いもの?!乳首の痛みの原因とは?

母乳育児は、ママと赤ちゃんの特別なふれ合いの時間。授乳のたびに、赤ちゃんと心が通じ合うようになり、絆が深まっていくことを感じられるでしょう。しかし、授乳に慣れるまでに起こりうるトラブルとしてよくあることが、乳首の痛みです。 とくに出産後すぐの時期は、「痛くて授乳が苦痛」「こんなに大変ならやめてしまいたい」と悩む方も少なくはないでしょう。乳首の痛みで訴えが多いのは「乳頭」という先端の部分についてです。また、乳頭の先端から乳首の付け根部分が全体的に痛むこともあります。 乳首の痛みの原因を知ったうえで適切に対処すれば、痛みは良くなります。痛みの原因についてみてみましょう。

<乳首の痛みの原因>

・赤ちゃんの口が大きく開いていないまま吸っているため、乳頭がこすれている
・赤ちゃんの口から乳房をはずすとき、乳首がひっぱられて傷ついている
・乳房の張りが強く、赤ちゃんの唇が滑るため、こすれて痛い
・必要以上に乳首を洗ったり拭いたりしているため、皮膚が摩擦を受けやすい
・乳首のカンジダ症や細菌などの感染症、白斑(はくはん)など特別なトラブルによる痛み

まず予防のためにできることは?

適切な吸いつき方を試してみよう

乳首の痛みの原因のなかでも一番多いのが、赤ちゃんの吸いつき方によるものです。トラブルになる前に、まずは予防することが大切です。また、痛いと感じたときは最初に「適切な吸いつき方」なのかどうかを見直します。乳首の痛み対策としても、母乳を増やしていくためにも重要なことです。

まず、下記のポイントで、赤ちゃんの吸いつき方をチェックしてみましょう。

・くわえるとき、口を大きく開かない、おちょぼ口になっている
・くわえるとき、赤ちゃんの舌が見えない(舌が上や奥に引っ込んでいる)
・吸っているとき、ほっぺたにえくぼができている
・吸っているとき、舌打ちのような音が鳴る

また、下記の通り、授乳中・授乳後のママの乳首の様子からも赤ちゃんが正しいくわえ方をしているかチェックできます。

・吸い始めだけでなく、吸っている間、乳首の先の痛みが続く
・口からおっぱいをはずすと、乳首の先が潰れて変形したり、水ぶくれができている

このようなサインがあるときは、その都度くわえ直しをさせます。タイミング良く、深くくわえさせるのは、難しく感じられるかもしれません。以下のポイントもおさえておきましょう。

・赤ちゃんが目覚め始めたときに授乳を始める(泣き始めてからではない)
・授乳中、ママと赤ちゃんの身体が密着するように抱っこする
・乳房や乳輪が張りすぎている場合は、授乳前に搾乳して張りを抑える

はじめは、なかなかうまくいかないものです。痛みを我慢せずに、ママと赤ちゃんが授乳に慣れるまで練習しましょう。できれば、助産師などに授乳の場面を見てもらうと、痛くならない抱き方、吸わせるタイミングなどのコツを教えてもらうことができます。

いろんな抱き方を試してみる

抱き方を変えてみるのもお勧めです。一つの抱き方にある程度慣れてきたら、違う抱き方で飲ませるようにしてみます。とくに、乳首の傷や痛む部分に赤ちゃんの口角がくるようにすると、摩擦が避けられ痛みが軽減することもあります。また、赤ちゃんは姿勢を変えることで適切なくわえ方ができるようになることもあります。(授乳時の抱き方のヒント参照)

傷が悪化する前の早めの対処方法

まずは、適切な吸いつき方と抱き方で、トラブルを起こさないように予防することが一番です。それでも慣れるまでは、痛くなってしまうことがあるでしょう。傷ができてしまった場合、悪化する前に対処することを心がけましょう。ただし、乳首の感染症や、白斑(はくはん)などは、特別な治療やケアが必要な場合もあります。痛みが強い場合や、原因がわからない場合、我慢したりせずに、きちんと専門家に状態を見てもらいましょう。 ここでは、乳首に傷ができてしまった場合の対処方法について、紹介します。

早めの対処法1:湿潤療法(しつじゅんりょうほう)でできた傷を早めに治す

乳首に傷ができたとき、かさぶたができる前に対処するのが早めに治すコツです。そのためには、傷口がうるおった状態を保つ湿潤療法が、乳首の傷にも効果的だと考えられています。以下のような方法があります。

○ ラノリンクリームを塗る

ラノリンは羊毛から抽出した羊毛脂で、保湿により皮膚を保護し、乳首の痛みや傷に対処するために良く使われます。母乳育児の専門書に記載のある、クリーム選びのポイントとしては、たくさんの成分が入っていないシンプルなもの、低刺激のもの、赤ちゃんの口に入っても安全なもの、授乳前に拭きとらなくてもよいもの、などです。メデラのpurelanピュアレーン100もラノリンクリームの一つです。適切なクリーム選びのポイントにあてはまっていて、出産施設の売店などでもよく見かけるものです。

ピュアレーン100

○ 乳首に母乳を塗る

母乳には、天然の治癒成分がたくさん含まれています。そのため、弱った皮膚からの感染を防ぎ、傷ついた皮膚を修復する力があります。数滴搾って、乳首に塗ります。乾いてからブラジャーをしましょう。また、一工夫として、皮膚の保護力が高いラノリンクリームと、治癒力のある母乳を一緒に塗って痛みを乗り越えたというママもいます。

母乳やラノリンクリームを塗ったあと、ラップで保護をすることをすすめられることもあります。これは、母乳を使った湿潤療法や、摩擦を軽減するという目的です。しかし、皮膚の状態を悪化させてしまう可能性があり長期的な対処には不向きです。ラップによる密閉は、蒸れや皮膚のふやけを招き、雑菌が増えてカンジダなどの感染の原因にもなる可能性があるからです。ラップでの保護は、摩擦を避けるための適切な道具がないときの、応急処置として使いましょう。

○ 乳頭用のドレッシング材を活用する

医療機関でも行われる方法として、いわゆる「ドレッシング材」を使った方法もあります。ハイドロジェルパッドも、水分を多く含んで湿潤環境をつくり出すことで、新しい上皮組織の再生を助けます。皮膚の余分な熱を吸収してくれるため、授乳後、乳首の不快なほてりを和らげるのにも良いでしょう。

ハイドロジェルパッド

早めの対処法2:傷口からの感染を防ぐ

乳首にできた傷が感染すると、傷の悪化や乳腺炎を起こす可能性があります。そのため、清潔にして感染を防ぐ必要があります。通常の乳首は、乳輪の部分にあるモンゴメトリー腺から分泌する皮脂で保護されています。ですから、何度も洗浄剤で洗うのは逆効果で、一日一回、入浴のときに洗うくらいでよいでしょう。また、クリームや母乳を塗るときには手を清潔にするように心がけましょう。ドレッシング材を使用する際にも、清潔なものを使うようにします。

早めの対処法3:摩擦を避ける

授乳していないときには、ブレストシェルで保護をしておくこともおすすめです。ブラジャーや母乳パッドとの擦れや、赤ちゃんを抱っこするときに乳首が押しつぶされる痛みを防ぐために、乳首の先端(乳頭)の部分を保護するように覆います。

ブレストシェル

一時的な対処法1:搾乳で乳首を休める

もしも乳首の痛みが強く、乳首を休ませたいときには、搾乳をして飲ませることもあります。急な断乳や、急激に授乳回数を減らすのはなるべく避けた方がよいでしょう。母乳が乳房に溜まったままになることで、乳腺炎や母乳分泌が減る原因になってしまうからです。手で搾ることに慣れていない場合、かえって皮膚を摩擦してしまう方もいます。搾乳器を使えば、摩擦による痛みを避けながら衛生的に搾ることができます。メデラの電動搾乳器のように、効率的に搾ることができれば、手間や時間の負担も少ないでしょう。ただし、根本的な対策のためには<乳首の痛みの原因>を解決する必要があります。乳首を休ませて痛みが良くなったら、吸いつき方や抱き方などの改善に取り組んでみましょう。

一時的な対処法2:乳頭保護器を使った授乳で乳首を休める

痛くて授乳を続けるのがつらいとき、このままでは授乳が続かないというときには、乳首を覆って保護するcontactニップルシールド(乳頭保護器)があります。ただし、contactニップルシールドを使うことで、赤ちゃんがママの乳首の形や硬さとの違いに混乱してしまうことや、乳首への刺激が減り、きちんと母乳を飲みとれないということがあります。母乳量を減らさず続けるためにも、あくまで一時的な対処とするのが良いでしょう。

contactニップルシールド

このように、乳首の痛みに対処する方法はたくさんあります。無理せず、母乳外来や助産師など専門家に相談しつつ、痛みを解消する方法を探してくださいね。

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(株)とらうべ 助産師・宮里風葵さん
総合病院に助産師として勤務後、現在は(株)とらうべにて、母乳育児を含めた育児相談や、タッチケアの講師として活躍中。


※本記事は、2015年7月24日に公開しておりますが、新製品の発売に伴い内容を一部編集をいたしました。

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