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授乳トラブルSOS!乳首の痛みへの対処方法

産後間もないころは、赤ちゃんのおっぱいの飲み方、赤ちゃんの抱き方などの理由で乳首が切れたり、チクチクとした痛みを感じる方は少なくありません。いつまで乳首の痛みが続くのか不安な方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし、乳首の痛みは、必ず良くなりますし、痛みを軽くする方法もたくさんあります。今回は、乳首のトラブルの予防策や、乳首の痛みに対処する方法を助産師の宮里風葵さんにご紹介いただきます。

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授乳は痛くて当たり前?

授乳に慣れるまでに起こりうるトラブルとしてよくあることが、乳首の痛みです。赤ちゃんの吸う力は思いのほか強いため、痛みを感じたり、切れて傷つくことがあります。ときにママは、「耐えないと母乳育児はできない」、「子どものために我慢できないダメな私」と自分自身を追い込んでしまうことがあります。また、「こんなに大変ならやめてしまおう」という気になってしまうこともあります。
しかし、痛いのはたいてい最初の1週間くらいです。母乳育児は、ママと赤ちゃんの特別なふれ合いの時間。授乳のたびに、赤ちゃんと心が通じ合うようになり、絆が深まっていくことを感じられるでしょう。母乳育児を続けるために、できることはたくさんあります。必ず良くなりますので、痛みの対処法を知って少しでも楽に続けられるよう、あきらめずに試してみましょう。

まず予防のためにできることは?

適切なおっぱいのくわえ方を試してみよう

トラブルになる前に、まずは予防することが大切です。最も大切なのは、赤ちゃんがママのおっぱいを上手にくわえることです。適切なくわえ方をしていると、乳首の痛みや傷などのトラブルが起きにくく、母乳をきちんと飲みとることができるため、母乳を増やしていくためにも重要です。始めは、助産師などに授乳する場面を見てもらいましょう。慣れるまでは、何度もくわえ方を修正していきましょう。

下記のポイントで、赤ちゃんのくわえ方を、ママ自身もチェックしてみましょう。

・くわえるとき、口を大きく開けなかったり、おちょぼ口になる
・くわえるとき、赤ちゃんの舌が見えない(舌が上や奥に引っ込んでいる)
・吸っているとき、ほっぺたにえくぼができている
・吸っているとき、舌打ちのような音が鳴る

また、下記の通り、授乳中・授乳後のママの乳首の様子からも赤ちゃんが正しいくわえ方をしているかチェックできます。

・吸い始めだけでなく、吸っている間、乳首の先の痛みが続く
・口からおっぱいをはずすと、乳首の先が潰れて変形したり、水ぶくれができている

このようなサインがあるときは、その都度くわえ直しをさせます。タイミング良く、深くくわえさせるのは、難しく感じられるかもしれませんが、ポイントがいくつかあります。たとえば、授乳を始めるタイミング、抱き方(ママと赤ちゃんの姿勢)、おっぱいの状態(張り感など)、母乳の出具合、赤ちゃんの吸う力なども影響します。このように、様々な視点で見てもらいながら練習すると、どんどん上達していきますよ!

いろんな抱き方を試してみる

抱き方を変えてみるのもお勧めです。一つの抱き方にある程度慣れてきたら、違う抱き方で飲ませるようにしてみます。とくに、乳首の傷や痛む部分に赤ちゃんの口角がくるようにすると、摩擦が避けられ痛みが軽減することもあります。また、赤ちゃんは姿勢を変えることで適切なくわえ方ができるようになることもあります。(授乳時の抱き方のヒント参照)

傷が悪化する前の早めの対処方法

くわえ方と抱き方で、まずはトラブルを起こさないよう予防することが一番ですが、どうしても痛くなってしまうことはあります。傷が悪化する前に早めに対処することを心がけましょう。ただし、我慢しがたい痛みが続く場合には、乳首の皮膚の感染症や、白斑(はくはん)など、特別な治療やケアが必要な場合もあります。そのような場合は、悪化させずに適切な対処方法を選択するためにも、きちんと専門家に状態を見てもらい相談するようにしましょう。

早めの対処法1:乳首を十分に乾燥させる

乳首に傷ができていなくとも、授乳後は皮膚がひりひりすることがあります。乳首の皮膚が摩擦で弱っている証拠です。そのようなときには、授乳直後はすぐにブラジャーをせず、皮膚が乾いてからブラジャーをつけると良いでしょう。コットンなどやわらかい素材がおすすめです。

早めの対処法2:ラノリンクリームを塗る

ラノリンは羊毛から抽出した羊毛脂で、保湿により皮膚を保護し、乳首の痛みや傷に対処するために良く使われます。クリーム選びで適切とされるものは、いろんな不純物が入っていない、低刺激であり、赤ちゃんの口に入っても安全なものです。メデラのpurelanピュアレーン100もラノリンクリームの一つです。全て天然原料で作られていて、授乳前に洗ったりふき取る必要がありません。また、皮膚の保護力が高く、塗ったままでも赤ちゃんの口が滑りにくく、摩擦を軽減します。

ピュアレーン100

早めの対処法3:乳首に母乳を塗る

母乳には、天然の治癒成分がたくさん含まれています。そのため、弱った皮膚からの感染を防ぎ、傷ついた皮膚を修復する力があります。数滴搾って、乳首に塗ります。乾いてからブラをしましょう。また、一工夫として、保湿のpurelanピュアレーン100と、治癒力のある母乳を一緒に塗るのもお勧めです!

母乳やpurelanピュアレーン100を塗って、さらにラップで保護をすることをすすめられることもありますが、皮膚の状態を悪化させてしまう場合があるので長期的な対処には不向きです。ラップは密閉し過ぎてしまうことで、蒸れたりふやけて皮膚の状態が悪くなり、雑菌が増えカンジダなどの感染の原因にもなります。どうしても一時的に使う場合には、皮膚の状態を注意深く観察して経過をみる必要がありますので注意しましょう。

早めの対処法4:授乳グッズで摩擦を避ける

痛くて授乳を続けるのがつらいとき、このままでは授乳が続かないというときには、乳首を覆って保護するcontactニップルシールド(乳頭保護器)があります。ただし、contactニップルシールドを使うことで、赤ちゃんがママの乳首の形や硬さとの違いに混乱してしまうことや、乳首への刺激が減り、きちんと母乳を飲みとれないということがあります。母乳量を減らさず続けるためにも、あくまで一時的な対処とするのが良いでしょう。

contactニップルシールド

授乳していないときには、ブレストシェルで保護をしておくこともおすすめです。ブラジャーや母乳パッドとの擦れや、赤ちゃんを抱っこするときに乳首が押しつぶされる痛みを防ぐために、乳首の先端(乳頭)の部分を保護するように覆います。

ブレストシェル

その他、乳首の回復を助けるアイテム

乳頭用のパッドを活用する

最近、傷はかさぶたになる前に、潤した状態で保護することで、早く治ることが知られています。水分を多く含むハイドロジェルパッドは、湿潤環境をつくり出すことで、新しい上皮組織の再生を助けます。皮膚の余分な熱を吸収してくれるため、授乳後の乳首の不快感を和らげるのにも良いでしょう。

ハイドロジェルパッド

しばらくの間搾乳で乳首を休める

もしも乳首の痛みが強く、乳首を休ませたいときには、搾乳をして飲ませることができます。搾乳器を使えば、傷への摩擦も避けられ、衛生的に搾ることができます。メデラの電動搾乳器のように、効率的に搾ることができれば、手間や時間の負担も少ないでしょう。ミルクを使うという手段もありますが、おっぱいに母乳が貯まったままになることは母乳が減ってしまう原因になります。母乳を続けていくための方法としては、やはり搾乳することをおすすめします。
搾った母乳は、なるべく赤ちゃんが混乱しないように、スプーンや、カップ、スポイトなどで上げるのがベストと言われています。しかし、時間がかかってしまったり、それぞれコツがいるため現実的ではなく、それ自体に苦痛を感じてしまう人もいます。その場合には、直接の授乳のときの様に、より赤ちゃんのペースで飲ませられる工夫をしてあげると良いでしょう。calma(カーム)のようなグッズを試すのも良いかもしれません。他の人工乳首と違い、直接の授乳のときの様にしっかりと口を使って吸わせます。

このように、乳首の痛みに対処する方法はたくさんあります。無理せず、母乳外来や助産師など専門家に相談しつつ、痛みを解消する方法を探してくださいね。

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(株)とらうべ 助産師・宮里風葵さん
総合病院に助産師として勤務後、現在は(株)とらうべにて、母乳育児を含めた育児相談や、タッチケアの講師として活躍中。

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