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母乳不足感を乗り越えるためのヒント~赤ちゃんをよく観察してみよう!

「母乳不足感」とは「母乳が足りていないように感じている」ということ。母乳育児をがんばるママたちの中には、この「母乳不足感」に悩まれる方も多くいらっしゃいます。自分はどうなのかな?と気になったとき、またはすぐに専門家へ相談するのが難しいときに、参考にしていただける母乳不足感を乗り越えるためのヒントを、株式会社とらうべの助産師、宮里風葵さんにお聞きしました。
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「母乳不足」と「母乳不足感」

「さっきあげたばっかりなのに、泣いて欲しがっているし、くわえさせるとやっぱり吸い付くし...。やっぱり私のおっぱい、ちゃんと出ていないのかな。」このように、不安を感じたことはないでしょうか。そういったママの授乳の様子をよくよく見たり、聞いたりしていると、「母乳が不足している、出が悪い」のではなく、「母乳が足りていないように感じている」ということがほとんどです。自分が与えた栄養で赤ちゃんが成長していくと考えると、ママとしてはプレッシャーが大きく、不安に感じることがあるでしょう。母乳が足りないと感じたとき、その不安をどう乗り越えて育児に自信がもてるようにするか、ヒントをお伝えします。

赤ちゃんはどれくらいの量を飲むの?

生まれたばかりの頃の赤ちゃんの、小さな胃の容量をイメージすると、それだけ頻繁に欲しがる理由が納得できます。生まれて1日目は、わずか数mlでティースプーン1杯くらいですし、1ヶ月でやっと100ml前後で卵くらいの容量しかないのです。それでいて、母乳は消化がよいので、少し飲んではお腹が空き、少し飲んではお腹が空き、ということの繰り返しです。また、お腹がいっぱいなはずなのに、おっぱいや哺乳瓶をくわえさせるとよく吸い付くのは、唇や舌に触れると吸いつこうとする反射があるため、ついつい吸ってしまうのです。口のまわりの筋肉をしっかり動かすことが満足感につながるとも言われています。何度も吸い付いていることで、お腹だけでなく、お口も体も心も満たされて満足、安心感を覚えていくのですね。


新生児の胃の大きさの目安

img-2.jpg※図表内の産後日数は、出産当日を含む日数です。

赤ちゃんにとっての「普通」とは?

「1日に5回しか飲まないんです。」と心配するママもいれば、「ずっとおっぱいから離れられないんです。」というママもいます。赤ちゃんにとっての、「普通」はとても範囲が広いため、いつも決まった量、決まったタイミングで授乳というわけではありません。産後に、きちんと母乳を飲みとれているのかを確認するため、授乳前後の赤ちゃんの体重を測ることがあります。乳房に適度な張りがあり、赤ちゃんもよく飲めているように見えても、やはり毎回飲んだ量は違っていて、倍以上差があるということもあります。赤ちゃんの哺乳行動の調査*によると、1回に飲む量は54~234mlと、とても幅があります。その他にも、1回の授乳にかかる時間、頻度、夜間の授乳の有無などそれぞれに幅があるということがわかっています。もはや、赤ちゃんにとっては「普通」を当てはめることができないほど、正常範囲に幅があるのです。ですから、何時間ごとに授乳するとか、どれくらいの量を飲んでいれば安心とか、一概に言うことはできないのです。
*西オーストラリア大学のジャクリーン・ケント博士が実施した、赤ちゃんの「正常な哺乳行動」に関する調査

「正常な哺乳行動」に関する調査 抜粋

  • 授乳にかかる長さと頻度は?
  • 赤ちゃんに1回に飲む母乳の量は
  • 男の子と女の子 母乳の飲み方は同じ?
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「正常な哺乳行動」に関する調査に関するインフォグラフィック全体はこちら

赤ちゃんに任せることも必要

赤ちゃんの飲む量や飲み方が様々なのは、赤ちゃんが自分の成長に合わせて飲みたいだけ飲んでいるからなのです。赤ちゃんが頻繁におっぱいを飲んだり、しっかり乳房から母乳を飲みとると、ママの母乳の量は自然と増えていきます。ですから、母乳の量によって赤ちゃんが飲む量が決まるわけではなく、赤ちゃんが飲む量でお母さんの母乳の量が決まるということなのです。赤ちゃんはきちんと母乳を増やすすべを知っているということ。ときには、赤ちゃんを信じて任せることが必要でしょう。

赤ちゃんをよく観察してみましょう

時間や量でなく、赤ちゃんの様子をよくよく観察することが大事です。

母乳を良く飲めているときの赤ちゃんの様子の目安

  • 24時間に少なくとも8回は母乳を飲んでいる。
  • 吸うときのリズムが、チュパチュパ早いリズムから、母乳が出始めるとゆっくりになり、飲みこむ音がきこえることがある。
  • 赤ちゃんは活気があり、手足をよく曲げ伸ばしし、お肌も健康的である。
  • 授乳と授乳の間は満足している様子がみられる(他の理由で機嫌が悪いこともある)
  • 24時間に、色のうすいおしっこを6~8回くらいしている。(紙おむつだと、もっと少ないこともある)
  • 24時間に、3~8回くらいうんちをする。
  • 1日に平均して、18~30gずつくらいの割合で体重が増えている

始めのうちは、赤ちゃんの様子をみても、どういう状態なのかがわからないということもあるでしょう。これらは、あくまで目安ですが、よく観察していると、ママにはわかる、母乳が足りているサインが見つかってくると思います。そうすると、だんだんと赤ちゃんのことがわかるようになってきて自信もついてきます。なれるまでは、育児日記やメモとして、赤ちゃんの様子を記録しておくのもよいですね。ときどき、上記の目安に立ち返ってみて、成長を確認するとよいですね。

泣いても「大丈夫」を口癖に!

本当にちゃんと飲めているのか、足りているのか・・・。たびたび泣かれるとやっぱり不安。そして、「赤ちゃんは泣くしかない、泣くのが仕事です。」とは言われても、赤ちゃんの泣きはとてもパワフルですし、年中無休でそれに付き合っていくわけですから、睡眠不足や疲労が積み重なり、心や身体がまいってしまうこともあるでしょう。よく、泣いている赤ちゃんに、ママが「ごめんね、ごめんね」と言いながらあやしている場面を目にします。赤ちゃんはママの態度や表情などをとても敏感に感じ取りますから、赤ちゃんも不安になって泣いているのかもしれません。そんなときはまず、ゆっくりと優しく、「大丈夫」と声にだし、自分と赤ちゃんに言い聞かせてみましょう。そして、一緒にいるパパや、おじいちゃんおばあちゃんも、「ほら、ミルクがたりないんじゃない?」と、泣いている理由をすぐに決めつけず、「だいじょうぶ、なんで泣いているのか一緒に観てみようか」という声掛けで、支えてあげましょう。なんで泣いているのかをじっくりと観察してあれこれと手をうってみましょう。


  • ゲップをさせてみる
  • おむつを替える
  • 暑くなりすぎていないか、洋服の縫い目や糸が絡まったり不快ではないか、裸にして見てみる
  • 一緒にお風呂に入ったり、お胸の上に乗せて優しくマッサージをしてみる
  • 添い寝してみる
  • 抱っこして歩き回ったり、外に出て散歩してみる
  • 部屋の明るさを替えてみる
  • 毛布などで小さくくるんでみる

ほかにも、やれることはたくさんあります。いろいろと試していくうち、赤ちゃんのお気に入りのあやし方も見つかってくるでしょう。

母乳不足感なのか、実際に母乳の分泌が少ないのか、うまく飲みとれているのかを自分で判断するのは難しいこともあるでしょう。体重が伸び悩むほど母乳の分泌が少なかったり、うまく飲めないことが続くときには、ミルクを足すことも必要になってきます。母乳不足?と心配なときには、自己判断せずに、あなたの母乳育児をわかって応援してくれる専門家へ、きちんと相談しましょう。


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(株)とらうべ 助産師・宮里風葵さん
総合病院に助産師として勤務後、現在は(株)とらうべにて、母乳育児を含めた育児相談や、タッチケアの講師として活躍中。

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